毎セット「もう1回もできない」まで行う必要はある?
毎セット必ず限界まで行うことを、すべての人・種目に共通の条件にする必要はありません。限界に近づける程度は、目的や経験、種目、セット数に合わせて考えます。「今日はどれだけ疲れたか」だけでなく、決めた動作で何回できたかを記録すると、次回の調整に役立ちます。
RIRとは?「あと何回できそうか」を表す目安
RIR(アール・アイ・アール)はRepetitions in Reserveの略で、セットを終えた時点で残っていると見積もる反復回数です。たとえば、同じフォームと可動範囲ならあと2回できそうなところで止めた場合は「RIR 2」と表します。
反動を増やしたり、動かす範囲を小さくしたりすれば追加できる回数とは区別しましょう。重さと回数に加えて、動作の条件をそろえることが比較の前提です。RIRは自己評価なので、最初から正確に当てる必要はありません。
研究では「限界」と「2回の余裕」をどう比較している?
2025年の研究では、筋トレ経験のある若い男女42人を、限界まで行う群と2回の余裕を残す群に分けました。全身を対象とした9種目を各1セット、週2回、8週間実施しています。両群で多くの評価項目が改善し、筋力と局所的な筋持久力の変化は同程度でした。一方、筋肉の厚みの一部の指標は限界まで行う群に有利な傾向がありましたが、群間の絶対的な差は概して小さいものでした。
この結果から「追い込みは無意味」とも「必ず限界まで行うべき」とも言えません。対象は経験者で、各種目1セットという条件です。初心者や多数のセットを行う場合、すべての種目にそのまま当てはまるとは限りません。研究の要旨を読む(PubMed)
実践の目安:まず動作をそろえて記録する
以下は研究で検証された万能メニューではなく、負荷を相談・調整するための実践例です。
- 種目ごとに動作の基準を決める。どこまで動かすか、反動を使うかなどをそろえます。フォームが変わった回数を、同じ条件でできた回数として混ぜないようにします。
- 重さ・回数・余裕をセットで記録する。「ダンベルカール:片手5kg、10回、あと2回できそう」のように残します。これは記録例であり、5kgや10回を全員に勧める意味ではありません。
- 次回は同じ条件と比較する。同じ重さ・回数が以前より楽になったか、動作が保てたかを確認します。一度に重さ・回数・セット数のすべてを変えると、何が影響したか分かりにくくなります。
- 難しければトレーナーと評価を合わせる。「あと何回」の見積もりに迷う場合は、実際の動きを確認しながら負荷を決めましょう。
限界まで行う前に確認したいこと
バーベルを身体の上で扱う種目などでは、失敗したときに安全に終えられる環境が必要です。補助者やセーフティーのない状態で、限界を確かめるためだけに無理をすることは避けましょう。痛みが出た場合も「あと何回できるか」の判断とは分けて、その動作を中止します。
よくある質問
「あと2回」を残せば必ず最も筋肉がつきますか?
最適な回数を全員に保証するものではありません。RIRは負荷を共有するための目安です。種目やセット数、経験によって調整します。
毎回、重量を増やす必要がありますか?
毎回増やすことをノルマにせず、まずは同じ条件での記録を比べましょう。動作を安定させることや、予定した回数をそろえることも練習の目標にできます。
恵比寿で自分に合った負荷を相談したい方へ
ONE’S GYMでは目的や運動経験を伺いながらトレーニングをご案内します。「重さを増やしてよいか」「余裕の判断が難しい」といった疑問もご相談ください。サービス内容と料金、パーソナルトレーニングとマシンピラティスの違いもご覧いただけます。
参考文献・この記事の範囲
Hermann T, et al. (2025). Without Fail: Muscular Adaptations in Single-Set Resistance Training Performed to Failure or with Repetitions-in-Reserve. Medicine & Science in Sports & Exercise, 57(9), 2021–2031. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003728。
研究紹介は公開要旨に基づき、実践例とは分けて記載しています。個別の効果や特定の体型変化を保証する内容ではありません。情報確認日:2026年10月1日。